オールケーシング工法とは

オールケーシング工法は、ケーシングチューブという筒型の機械を地中に圧入し、それで孔壁を保護しながら、グラブバケットで掘削・土砂の排出を行い、できた孔にコンクリートを打設する工法です。
フランスのベノト社が開発したことからベノト工法とも呼ばれています。現在では、ケーシングチューブが揺動して圧入していくものをベノト工法(揺動式オールケーシング工法)、ケーシングチューブが一方向に回転することで地盤掘削していくものを全回転式オールケーシング工法と呼び分けるのが一般的なようです。全回転式のほうがより硬質な地盤に対応できます。


アースボーリングマシンの各部名称

アースボーリングマシンの各部名称

オールケーシング工法の施工要領

  1. 1.芯出し図解説を見る

    杭の芯出し、掘削位置を示す。杭径を描いた上にマシンをセットする。

  2. 2.掘削図解説を見る

    ケーシングチューブの先端・ファーストチューブを建て込んで掘削を開始。所定深度までチューブ建て込み・掘削・排土を繰り返す。ケーシングチューブが地中に入ったら、グラブバケットで中の土砂をかき出す。グラブは1本のワイヤーロープで操作できるようになっていて,ウィンチで吊上げられ自重による落下により地盤に食い込み、ワイヤーロープを引き上げるとグラブが閉じて土をつかみ、排土する。

  3. 3.チューブを追加図解説を見る

    壁の崩壊を防ぐために、掘削孔の孔底は原則としてケーシングチューブの下端よりも下にならないようにしなければならない。 ファーストチューブの全長を掘削し終わるとさらにチューブを継ぎ足し、掘削を繰り返しながら所定の深さに達する。

  4. 4.検尺、深度、沈砂、スライムなどの調査

  5. 5.鉄筋かごの建て込み

    支持層に達すれば、杭底部のスライムを除去後、杭の外枠となる鉄筋かごの建て込みを行う。

  6. 6.トレミー管の建て込み図解説を見る

  7. 7.打設図解説を見る

    コンクリートを少しずつ打設していく。

  8. 8.チューブ引き抜き図解説を見る

    ケーシングチューブ1個分を打設したらチューブを引き抜くのを繰り返す。

  9. 9.完成図解説を見る

    すべてのチューブを引き抜き地表面まで打設し終えれば杭ができあがる。

<語句説明>
   *トレミー・・・上端に漏斗状の受け口を持つ水密な管。水中コンクリートの打設に使用される。吐き管ともいう。
   *サンプラー・・・土の試料を採取するためのチューブ上の器具

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オールケーシング工法の長所



オールケーシング工法の短所